牛木隆志先生が発明した「T細胞増殖促進ペプチド」が特許を取得しました。
2025.11.12
牛木隆志准教授および東京科学大学生命理工学院 門之園哲哉准教授、近藤科江特定教授・名誉教授らの研究グループが発明した特許が登録されました。(特許第7773172号)
発明の名称
T細胞増殖促進ペプチド
発明の概要
細胞免疫療法は急速な発展を遂げており、急性白血病や悪性リンパ腫をはじめとした造血器腫瘍に対する有望な治療選択肢の一つとして認識されるに至っています。しかし、CAR-T細胞療法などで患者さん自身のTリンパに遺伝子改変を加え体外増殖するタイプの細胞治療では、Tリンパ球を増幅させる製造ステップが必要不可欠です。従来、この体外増幅過程にはTリンパ球表面のIL-2受容体α鎖(CD25)をヒトrecombinant IL-2が使用されていました。このため、より優れた増幅法の開発や製造コストの低コスト化の観点から新たな医薬モダリティの創出が期待されていました。
今回、牛木隆志准教授らの研究グループは、構造計算およびドッキングシミュレーションにより作成されたCD25に高親和性を示す中分子ペプチドライブラリから実際にヒトTリンパ球に対して増幅効果を有する3種類の新たなCD25結合中分子ペプチドを同定し、Tリンパへの増殖作用を確認しました。本中分子ペプチドは化学合成可能であり低コスト化が見込めることから産業応用が期待されます。
発明者
牛木隆志(新潟大学医歯学総合病院・新潟大学医学部)
門之園哲哉(東京科学大学生命理工学院)
近藤科江(東京科学大学生命理工学院)
特許権者
国立大学法人新潟大学
出願番号
特願2021-097735
出願日
2021年6月11日
登録日
2025年11月11日
本研究は2018年度AMED創薬基盤推進研究事業 課題名「重症 GVHD 治療に向けた CD25 中和抗体代替ペプチド製剤の開発」により実施されたものです。